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(6) マルチメディア化

行政サービスの高度化と同時に、各種のサービスを一元的に提供するサービス統合化の図られたアクセスポイント(ハイパー・キオスク)の実現が想定されており、このためには、官民情報通信ネットワークのマルチメディア化が必要となる。

マルチメディアについては世の中で様々な視点から議論されているが、本調査研究においては、「官民情報通信ネットワークのセキュリティ保証が担保された前提条件で、メディアフリーな行政サービスを提供すること」をマルチメディアと定義する。

メディアフリーとは、ひとつのアクセスポイントから音声、テキスト、画像、コンピュータデータ等あらゆるメディアにアクセスできることを意味する。ユーザは、如何なるメディアであっても意識せずに、即時にこれらを使用できることがメディアフリーである。例えば、ひとつのコンピュータ端末から、端末上のそれぞれのウィンドウは別々の通信相手と接続されていて、ある通信相手から文書データを取り出したり、別の通信相手からは別の画像データを写しだしたりすることが同時に可能となる。さらに、新たな通信相手を加えて別のメディアによる通信を実現することも可能である。情報コンセントのコンセプトもメディアフリーの表現例である。電気のコンセントが例えばテレビ、冷蔵庫、ストーブなどなんでも差し込むと全て動作するのと同様に、各種の情報端末を情報コンセントに差し込むと様々に機能することをイメージしている。さらに、メディアフリーの特徴としてサービス速度が可変的に選択できることが挙げられる。具体的には、ユーザが所要とする需要に応じたサービス速度が提供可能であることを示す。

マルチメディアネットワークの実現手段としてATM(非同期転送モード:Asynchronous Transfer Mode)*14が提案されており、今後のネットワーク方式の核技術として有望視されている。これは、ATMの特徴であるメディアフリーサポートに起因するものである。

 

官民情報通信ネットワークのメディアフリー化を具現化するためのハイパーキオスクの機能としては、1)ハイパーキオスク本体をメディアフリー化したコンピュータ端末


*14 回線交換とパケット交換の両方の長所を備えた情報転送方式。短いパケット長(53バイト)の単位でMb/s〜Gb/sクラスまでの伝送速度に柔軟に対応可能であり、交換処理の大部分がハードウェアにより実現される。今後、本格化するマルチメディア通信のための低遅延且つ高速なネットワーク化が可能なアーキテクチャを有する。

 

 

 

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